6月16日と、14日ごろでしたか、参院選を控えているためか、NHKで若者に選挙に行ってもらうには? とか投票率を上げるには?みたいな教養バラエティのような番組をやっていました。*1
(6月18日追記:
NHK番組表から確認したところ、6月15日放送のクローズアップ現代と、6月16日放送の「1ミリ革命 投票率1ミリアップ作戦!」でした。
特に後の日「投票率1ミリアップ作戦(6月18日修正)」では、投票会場で餅つきをするとか、涙ぐましい努力をしているのに中々投票率につながっていかないという笑いの中にもしんどい展開でしたね。
それを片手間に聞き流しているうちに、ふっと思いました。
50年前は本当に政治に熱心な若者が多かったのにね。
と。
60年~50年前、60年代70年代の学生運動の実際を、私はこの目で直に見た世代ではありません。しかし、その時にデモに参加したとか、学生運動に参加していたという人の話を聞いたことはあり、またニュースやドキュメンタリーなどで、その当時起きた事件について多少知ってはおり、だからこそ上記のような感慨を持ってしまったわけです。
私のうろ覚えの記憶知識から行くと、結局のところ日本の学生運動は、目立った成果を上げられず、最後はあさま山荘事件のような陰惨な内ゲバを繰り返してしまい、一般社会の共感をも失って終わり、それが80年代の好景気ともあいまって、政治全般への無関心を作り出していったような気がします。
私の高校時代の教師にも、この時代高校生だった人がおり*2、折に触れ私が学生だった当時の世相の無関心を嘆いていましたが、私も同級生も、その押しつけがましさに辟易して、余計政治への無関心を強めてしまいました。
権力側は学生たちの声に耳を傾けなかったし、学生たちは運動をしているうちにそれが自己目的化して自己陶酔してしまったのか、学業に行けず就職し社会人になった同世代*3や、一般の人とどう共感を得て、連帯していくのかということを考えられなかった。
結果として多くの人に残ったのは、「どうにもならない」という政治に対する無力感だったのではないでしょうか。
実際選挙で何が変わったのでしょう? 80年代末の消費税反対の「マドンナ旋風」でも消費税廃止にはならず、2000年代の、郵便局を国民の敵に仕立てての「小泉劇場」は非正規を増やしただけ。その反動としての民主党政権も、結局消費税増税を防げず、その反動で出てきた安倍政権のアベノミクスは今の急激な望まれない円安のもとになっただけ。
戦後の日本で、何か国民が政治に関心を持ってちゃんと変えられたことって、あるんでしょうか?
それはともかく、投票率が異常なまでに低くなり、また、国際標準に合わせる形で、多くの人がまだ学生のうちの18歳で投票するようにせざるを得なくなって、あれほど教育現場で禁じられていた政治教育もせざるを得なくなったのは皮肉なことです。
まだ現場では模索の状態のようですが、10年、20年たてば前向きな成果がでてくるのでしょうか……。
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