株中毒の投資日記

日本株オンリーでしたが、2024年からはそれ以外の投資法にも言及するつもりです。

シリアを見捨てないで トルコ・シリア地震 シリアの状況と援助先について

 

www3.nhk.or.jp2023年2月16日 18時52分

 トルコ・シリア地震、上記のNHKの記事によれば、2月16日の時点でトルコで3万6187人、シリアで少なくとも5814人が死亡したとのことです。

 日本からは、16日午後トルコとシリアにそれぞれ計約2700万ドルの緊急人道支援をすることが発表されました。詳細はこれから固めるとのことです。

 この記事では被害を受けた範囲の地図なども載っています。

内戦と震災で打撃を受けたシリア

 それにしても、死者数はトルコの方が圧倒的に多く、シリアの死者数がまだ千の桁のままというのが引っかかります。(前述の記事の地図を見ると、被害を受けた都市の数はトルコの方が多いのですが)また、毎日放送されるトルコ・シリア地震に関する情報でも、シリアに関する情報がトルコに比して少ないのが気になります。

 というのもシリアは12年前から内戦が続き、あまり日本のジャーナリストが入れるような状況ではないようです。いわゆる「アラブの春」の一部として内戦が起きているのですが、民族や宗教などもからみ、ひとことでは言えない複雑な状況になっているようです。

 被災地のシリア北部も地域により政府側勢力、反政府勢力と勢力が分かれているらしく、情報が入ってきにくいのはそのせいもあるようです。

 こんな絶望的なニュースもあります。

times.abema.tv2023/02/15 20:21

 シリアの反政府勢力の圏内である北西部には、避難所も、国際社会の援助の手も届かない状況だそうです。

 上記の記事ではシリア北西部で2015年から教育などの援助をしている特定非営利活動法人「Stand with Syria Japan(スタンド・ウィズ・シリア・ジャパン)」の山田一竹(いっちく)理事長によれば、

「言葉では言い表せないほどひどい状況です。見渡す限り瓦礫の山。地震から丸8日(株中毒注:インタビュー時点での日数です)以上経ちましたが、瓦礫の下の人を助けようとしている人で溢れています。支援物資も外国人スタッフも辿り着けていません。全くと言っていいほど、北西部には支援の手が届いていませんでした。なぜなら、アサド政権が検問所で意図的に反体制派地域への支援を遮断していたのです。一刻を争う状況のなか、国際連合の対応も遅きに失しています」(山田氏)

「私たちは世界から見捨てられた」「避難所さえない」なぜ、シリアには支援物資・救助の手が届かないのか? 日本人にできることはABEMAヒルズ 2023/02/15 20:21

https://times.abema.tv/articles/-/10067696

 要するに現政府と対立しているため、国連(多分UNCHRとかユニセフとか)の支援スタッフも中に入れない、という状況なのでしょう。

 前回の記事で、シリアに援助を送りたいなら国連、国際機関系にしておけば……と書きましたが、それでは難しかったということのようです。私の認識が甘かったと言わざるを得ません。

現政府勢力地域でも援助の手が絞られている模様

friday.kodansha.co.jp2023年02月16日

 上記の記事では、いかにアサド政権が支援の手を阻止することによって、自分に有利な国内世論を作ろうとしているかを書いています。

 北西部の反政府勢力地域に援助が届いていないのはABEMAの記事とほぼ同様ですが、それが、アサド政権の後ろ盾のロシアが国連常任理事国であるため、国連系機関の動きを縛っているということにも言及しています。

 ならばそれでも、現政府の勢力下ではどうなのかといえば、ロシアとイランに加え、UAE、エジプト、イラクなどアサド政権と接近しつつあるいくつかの国から救助隊が入ったそうです。しかし、欧米諸国の直接の支援は入っていないそうです。

 それをまたアサド政権が「トルコばかり欧米諸国は助けている」と欧米諸国批判をテコにした自分たちの正当化に利用しているという状況。また、政権と親しい国の援助も横領・流用される可能性が高いとのこと。

戦争犯罪を多数行ってきたアサド政権は、欧米から経済制裁を受けている。そのため、市民に対し、国連の各機関が人道支援活動を行ってきた。しかし、アサド政権を通さない活動を許されず、業務はアサド政権機関もしくはアサド政権幹部の関連企業に丸投げされ、さらに外国人スタッフは厳しく監視され、自由な行動・視察を制限された。その結果、人道支援の資金・物資の多くを横領・流用されてきたという経緯がある。

「世界に見捨てられた」シリア北西部市民。アサド政権とロシアの非道で「悲劇が深まっている」 「国連も機能していない」シリアの現実〜軍事ジャーナリスト・黒井文太郎 FRIDAYデジタル 2023年02月16日

https://friday.kodansha.co.jp/article/295785 

 政権勢力地域のアレッポ*1でさえ、かつて政権軍が大虐殺をやっていたため、住民の生の声が外に出ることを恐れた政権が国連機関の出入りを認めず、6日の震災発生に対し10日から11日にかけてようやっと国連機関の現地入りが確認されたということです。

 また、政権は10日には国連のアサド政権エリアから反体制派エリアへの支援物資搬送も認める声明を出しており、これが実現すれば、シリア北西部への新たな支援ルートの確保になるとのことです。

 多少の横領があったとしても、支援物資が届かないよりはましですが、今度は北西部を支配する反体制派「シャーム解放機構」(HTS)が、アサド政権の政治利用になるとして、物資の搬入を認めないという挙に出ているとのことです。

 ちなみに前回の記事(2月23日 下書きにもどしました)で、アラブの春から続く内戦の関係? で西側はシリアに支援を送れないらしいです。」と書いてしまいましたが、これは間違いでした

なお、アサド政権は今回、経済制裁のために支援物資が入らないとして、経済制裁撤廃を訴えているが、経済制裁には人道支援はもともと含まれない。避難者向けの医薬品や食料、避難生活支援物資も制裁の対象外なのだ。震災当初、経済制裁の仕組みから手続き上の問題で遅れたケースはあったようだが、米国は被災地支援に関するものでは、制裁手続きを180日解除することを決めた。

「世界に見捨てられた」シリア北西部市民。アサド政権とロシアの非道で「悲劇が深まっている」 「国連も機能していない」シリアの現実〜軍事ジャーナリスト・黒井文太郎 FRIDAYデジタル 2023年02月16日

https://friday.kodansha.co.jp/article/295785  

 とのことです。

 再度最初に載せたNHKの記事を引用しますが、日本赤十字の毛布やテントなどの支援物資が15日、シリアの首都ダマスカスの空港に到着したそうです。これらの物資はシリア政府からの要請で送られたもので、日本側からは反政府勢力のある前述の北西部にも回すよう要請し、シリア側も協力すると伝えたとのことです。

 無事に届くことを祈るばかりです。

www3.nhk.or.jp2023年2月16日 18時52分

寄付先一覧

www3.nhk.or.jp2023年2月13日 19時10分

 NHKがこのページの最後に寄付先一覧をまとめています。以前紹介したサイトよりも団体数が多く、また、信頼できる寄付先の探し方などもまとめられています。

 ページ全体を読むとシリアの勢力地図なども入っているので参考になります。

 尻切れトンボですが、長くなりましたので、ここでいったん終わりにします。

  長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

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*1:石鹸で有名なところなので、聞いたことのある方も多いと思います