株中毒の投資日記

日本株オンリーでしたが、2024年からはそれ以外の投資法にも言及するつもりです。

ウクライナ侵攻 略奪された小麦の行方

 とりあえずロシア大統領の軍事パレードでの爆弾発言はなくてちょっと安心はしましたが、かといって状況が良くなるわけでもなく……。

 前に

ロシアの狙いは食糧難? - 株中毒の株式+α日記

 でロシア軍がウクライナ穀物を組織的に略奪しているらしいということを書きましたが、コメント欄でCNNの新しい記事を報告いただいて、具体的な状況が割と信頼できる筋から報告されました。

 

 この記事では

 ウクライナ国防省は5日、これまでに推定40万トンの穀物が盗まれたと発表した。

CNN.co.jp : ウクライナ農家、ロシア軍が大量の穀物を略奪と証言 飢餓の歴史再来の懸念 - (1/2) 2022.05.06 Fri posted at 18:20 JST

https://www.cnn.co.jp/world/35187137.html

とありましたが、翌日の共同通信の記事では、略奪された量はさらに増えて70万トンになっていました。

nordot.app

 70万トンてどれくらい?と思ってたらこんなTwitter

 とのことですが、却ってピンとこない人の方が多いかも……。(ちなみに、この方によればウクライナの小麦生産量を石高に直すと、1億3000万石だそうですhttps://twitter.com/gripen_ng/status/1523655308073381888

ウクライナの生産高からすればあくまで一部ですが、それでもかなりの量であることに代わりはありませんね。

(5月25日追記:余談ですが「苅田狼藉」というのは読んで字のごとく敵の田畑にあるものを勝手に収穫して奪うことですが、むしろ今回のこの場合は幕府の米蔵から1年分奪い去ってしまうというのに近いような気がします。)

 

 国連食糧農業機関(FAO)は、穀物略奪の件だけでなく、黒海の港を解放することも要請しています。

www.cnn.co.jp

WFPの6日の発表によると、戦争が始まる前の8カ月間で5100万トン近い穀物黒海の港を通過していたという。

(中略)

世界では今年初めの時点ですでに、2億7600万人が紛争などの突発事案で食料が入手できない「急性飢餓」に見舞われていた。WFPの分析によると、ウクライナでの戦争が続いた場合、この数はさらに4700万人増える見通し。

CNN.co.jp : 国連機関、封鎖されたオデーサの港の再開要請 食料危機抑制のため2022.05.07 Sat posted at 16:20 JST

https://www.cnn.co.jp/world/35187166.html

 ……で、略奪された小麦が全部、自給率の良いロシア国内に行くわけではもちろんなく……。以前の記事で触れていた小麦の転売? について。

www.jiji.com

 CNNによると、ということなんですが、CNN日本語版のサイトからは私の検索が拙いのか、和訳されてないのかまだ出ていないのが引っかかると言えばひっかかります。

 ソースの信憑性はともかく、時事通信の記事によれば、

エジプト北部アレクサンドリアに向かったが入港を拒否された。その後、レバノンベイルートでも拒まれ、現在はロシア軍基地があるシリア北西部ラタキアに係留しているという。

ロシア、略奪穀物を輸出か エジプトなどで寄港拒否:時事ドットコム2022年05月13日07時59分

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051300155&g=int

 とのことです。

(2022年5月25日追記:CNNの記事見つかりました。多分下記の記事だと思われます。

www.cnn.co.jp

「マトロス・ポジニッチ」という船の名前などかなり詳しいことが書かれています。)

 

 中東は以前書いたように、ウクライナ産の小麦を輸入していて、今この戦争でウクライナの小麦が入らず、苦しいのに……。ウクライナから事前の通報があったためだそうですが、他の船に積み替えて誤魔化そうとしてくるかもしれないとのこと。

 でも、寄港を拒否したという話を読むと、ウクライナから略奪した小麦を売ったり援助に使うことで、マッチポンプ的にロシアは影響圏を拡大するつもりかもしれない、と以前書きましたが、中東の人達に失礼な言い草だったと思います。

 このような状況をG7でドイツの食糧・農業相も非難しています。

www.afpbb.com

 とは言え打開策があるわけでもなく……。

 しかし、戦争が長引けば、ウクライナで農業の再開が遅れること、黒海が塞がれていることで、中東、アフリカへの食料供給が滞り続けることは事実で、その影響は回りまわって世界全体に響きます。

 しかし、半端なところで終わらせればロシアの言い分を認めたも同然になってしまいます。

 難しいことです。

 

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