天皇陛下が、皇太子時代に出した、英国留学回想記『テムズとともに 英国の二年間』が出版社を変えて新版として出る、という話を2月に書きました。↓その続報です。
最初に出た版は陛下の母校の出版部?の学習院教養新書から、ということで、価格も安く、600円だったそうです。↓
復刊版『テムズとともに 英国の二年間』(紀伊国屋書店)は定価1100円(本体1000円+消費税)。安い。30年前の平成5年(1993年)版(学習院教養新書)は頒価600円。「販価」ではなく「頒価」。当時、「皇太子が印税を受け取ればもっと良かった」との意見があった。画像は「週刊朝日」1993年10月29日号。 pic.twitter.com/29xkZp1Gx5
— 夏が好き (@lovesummerI) 2023年4月23日
それがご即位に伴ってか、それとも元来入手経路が変わってたため希少価値があったのか、今やアマゾンで高いと4万くらいに値上がりしています。↓
今回出た新装版は、表紙の霧煙る風景がいかにも英国、という感じですが、これは写真、それも陛下が撮影されたものだそうです。
私は最初の版が出た時興味はあったのですが、前述したように大学の出版ということもあり、普通の本屋さんでは置いてなかったような記憶があります。タイトルもはっきり知らず、「皇太子殿下(当時)の出した本」という覚え方をしていたので、取り寄せもできる本だったとしても、そんな記憶ではお店の人が困るだけだったかもしれません。
この本に書かれているのは80年代半ば(1983~1985年)の英国なので、出版された時点と約10年のタイムラグがあります。
この本が出版された1990年代はちょっとした「イギリス・ブーム」が日本にあったような気がします*1。
これに先立つ1991年、日本文学研究者の林望氏が自らのイギリス留学経験*2をもとにした『イギリスはおいしい』というエッセイが話題になり、さらに数年後、かの有名な『ハリー・ポッター』シリーズが翻訳されて凄いことになりました。
ハリー・ポッターと一直線に並べていいか気になったのですが、映画版のロケをオックスフォードでやっているらしいので許してください。(ハリポタは90年代の話で、陛下が留学していらしたのは80年代ですけどね)
まあそんな時代の気分があったから、私も欲しかったんです。
今回の新装版を本屋さんで予約して、引き取りに行ったら平台に置かれていて、びっくりしました。なんでも初刷7万部出たそうです。↓
天皇陛下の皇太子時代留学記復刊版「テムズとともに」があと2日で発売日を迎えるが、今日紀伊國屋書店新宿本店の店頭に並んだようだ。予約が殺到し初刷で7万部を記録。そして紀伊國屋書店での予約数はあの村上春樹の作品をも上回るのだとか。
— みーな (@ProsperTheReiwa) 2023年4月20日
皇室を大事に思う国民なら誰もが入手したい一冊だと思う。 pic.twitter.com/pCnMSffNT1
肝心の中身はというと、まだ流し読みしかしていないのですが、個人の体験に加えて、オックスフォード大学の来歴や、大学の中の制度の成り立ちなどにも結構丁寧に言及されているのでその点でも興味深いと言えましょう。
駆け足の紹介になってしまいましたが、とりあえず、ここまで。
kindle版だと少し安く990円になります。↓
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*1:あくまで個人の感想です
*2:留学期間は陛下の留学時期とも少し重なる1984年から1987年。留学先は陛下と同じオックスフォード大、彼の場合はそれに加えてケンブリッジ大の両方だそうです。参考 林望 - Wikipedia